AMC×鋳金『fluid casting』
AMC Connectのプロジェクトの一環として、東京藝術大学と長野県東御市と地域による域学連携事業「天空の芸術祭2022」において、東京藝術大学美術学部工芸科鋳金研究室とAMCのコラボレーション作品を発表しました。
本作は3Dデジタル技術を活用し「流体の鋳造」を実現するもので、3Dスキャン、流体シミュレーション、3Dプリントなどの技術を用いて川の流れの一瞬を切り取り、ブロンズ像として写し取る試みです。
作品制作:堀田 光彦(東京藝術大学美術学部工芸科鋳金研究室)
技術協力:大日方 伸(東京藝術大学芸術情報センター)
STEP-1:歴史を語る川
天空の芸術祭の会場となる海野宿の中央の通りには、江戸時代から変わらぬ位置に流れ続けている「表の川」という用水堰がある。江戸時代にはここで馬に水を飲ませたり、旅行者が足を洗ったとされている。本作では、この表の川を対象に制作を行うこととした。
STEP-2:3Dスキャン
一時的に水の流れを堰き止めて川底を3Dスキャンし、川が流れる「型」の形状を採取する。
STEP-3:流体シミュレーション
採取した川の「型」に水を流し込むシミュレーションを行い、擬似的に川の流れを再現する。
STEP-4:3Dプリンティング
デジタルデータで再現された川の流れを3Dプリントで物質化する。
STEP-5:鋳造
3Dプリントされた樹脂原型を現地の素材(千曲川の川砂と八重原大地の粘土)で型取り、ブロンズを流し込み鋳造する。
STEP-6:完成
歴史ある川の流れの一瞬を切り取った《流体の鋳造》の完成。