【2018年度開催授業】メディア特論 授業情報
メディア特論
年間テーマ「◯◯の現在・未来」
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授業概要:創作活動において,
広義のメディア分野のトップ研究者・表現者,実務者などを迎え,
日時:木曜日 18:00-
会場:東京藝術大学 中央棟第1講義室 (上野校地)
聴講可・学外生聴講可
授業構成、担当:内海健、古川聖、大谷智子
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各講義リスト
4月12日 オリエンテーション&内海 健先生(東京藝術大学保健管理センター)
4月26日 藤幡正樹 先生(メディアアーティスト、元本学映像研究科教授)
5月10日 廣瀬通孝 先生(東京大学大学院情報理工学系研究科)
5月24日 大石泰 先生(東京藝術大学演奏芸術センター)
5月31日 岡﨑乾二郎 先生(造形作家・批評家)
6月7日 伊藤俊治 先生(東京藝術大学美術学部先端芸術表現科)
6月14日 岡田猛 先生(東京大学大学院教育学研究科)
6月21日 山川宏 さん(ドワンゴ人工知能研究所)&×ドミニク・チェン 先生(早稲田大学文学術院)
7月5日 笠井叡 さん(舞踏家、振付家)
7月12日 松井みどり さん(美術評論家)
10月18日 小林康夫 先生(東京大学名誉教授/青山学院総合文化政策学研究科)
10月25日 住友文彦 先生(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科)
11月1日 ゲスト→11月29日へ開催日が変更されました。
11月8日 藤崎圭一郎 先生(東京藝術大学美術学部デザイン科)
11月22日 山村浩二 先生(東京藝術大学映像研究科)
11月29日 斎藤亜矢 先生(京都造形芸術大学 准教授)
12月6日 黒川廣子 先生(東京藝術大学大学美術館)
講義詳細
第1回 4月12日開催(オリエンテーションも兼ねています)
思想史からみたアートの現在
アートのための知の見取り図 – 思想的レビュー –ゲスト:内海 健先生(東京藝術大学保健管理センター)
第2回 4月26日開催
メディアアートの現在と未来
ゲスト:藤幡正樹 先生(メディアアーティスト、
元本学映像研究科教授)
第3回 5月10日開催
AR/VRの未来
VR2.0の世界ゲスト:廣瀬通孝 先生(東京大学大学院情報理工学系研究科)
第4回 5月24日開催
プロデュースの現在と未来
ゲスト:大石泰 先生(東京藝術大学演奏芸術センター)
第5回 5月31日開催
現在あるいは過去の現在・未来
事物としての歴史ゲスト:岡﨑乾二郎 先生(造形作家・批評家)
第6回 6月7日開催
写真/映像の現在と未来
新星写真都市 THE NEW PLANET PHOTO CITYゲスト:伊藤俊治 先生(東京藝術大学美術学部先端芸術表現科)
第7回 6月14日開催
アート・コミュニケーションの未来
触発するアート・コミュニケーションゲスト:岡田猛 先生(東京大学大学院教育学研究科)
<書籍>
触発するミュージアム:文化的広狭空間の新たな可能性を求めて(2016)あいり出版
http://airpub.jp/shop-new/goodsprev.cgi?gno=978-4-86555-025-2<論文>
横地早和子・岡田猛 (2007). 現代芸術家の創造的熟達の過程 認知科学, 14, 437-454.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/14/3/14_3_437/_pdf
石橋健太郎・岡田猛 (2010). 他者作品の模写による描画創造の促進 認知科学, 17, 196-223.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/17/1/17_1_196/_pdf
髙木紀久子・岡田猛・横地早和子 (2013). 美術家の作品コンセプトの生成過程に関するケーススタディ :
写真情報の利用と概念生成との関係に着目して,認知科学, 20(1), 59-78.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/20/1/20_59/_pdf/-char/ja
高木紀久子・河瀬彰宏・横地早和子・岡田猛
(2015).現代美術家の作品コンセプト生成過程に関するケーススタディ:
インタビューデータの計量的分析に基づいて 認知科学, 22(2),235-253.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/22/2/22_235/_pdf/-char/ja
第8回 6月21日開催
AI/IAの現在と未来
知性と情動の関係性,創造性:AIからIAへの架け橋ゲスト:山川宏 さん(ドワンゴ人工知能研究所)&×ドミニク・チェン 先生
(早稲田大学文学学術院)
第9回 7月5日開催
7月5日
社会芸術の現在とその未来
創造過程における身体の役割 とりわけ感覚器官との関わりにおいてゲスト:笠井叡 さん(舞踏家、振付家)
第10回 7月12日開催
美術史研究の現在と未来
ゲスト:松井みどり さん(美術評論家)
授業内の配布資料に関して
講義資料には無断転載を禁じる内容が含まれているため、配布は受講された方に限らせていただきます。ご容赦ください。
本講義の資料(修正版)ご入り用の方は,7月15日までに amc-info@ml.geidai.ac.jp 迄名前とメールアドレスを送って下さい。メールの件数は「メディア特論資料」としてください
第11回 10月18日開催
10月18日
美の現在・未来
美、ディスコルディアとしてゲスト:小林康夫 先生(東京大学名誉教授/
青山学院総合文化政策学研究科) <質問への回答>
授業でご記入いただいた出席表への回答です。(個人情報保護のため、氏名・学科等の情報は伏せています。)
藝大講義・アフター講義(小林康夫)
質問ありがとうございます。おもしろい問いもありますねえ。長くお答えすることはできないので方向性だけになると思います。方向を察していただければと思います。
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Q1.芸術家と学者であるご自身の違いは何であるか。それは本質的な違いなのか。
冒頭に仰った才能の差であるのか,そもそも芸術家であるかどうかという
くくりは存在すると思うか。お忙しいと思いますが回答を希望いたします。
A.もちろん、芸術家と学者は全然違います。立っている地平が違う。地平が本質的かどうかはまた別の問題ですけど。わたしにとっては、「詩」という場はそのふたつを媒介/仲介/重ね合わせできるものであったと思います。講義でいったように、才能という言葉をわたしは使いません。各人の魂の深い傾向性です、パッションです。激しさです。
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Q2.先生に1つ質問をするならば,子どもの頃に一番影響を受けたもの,
時間をかけたもの,夢中になったものが知りたいです。私も歴史の中で
暴れてやりたいです。
A.子どものころは、まず物理学(小学生で素粒子の名前を覚えていました。イタリアのフェルミが憧れでした)。ついで文学。世界文学全集、世界という地平をわたしに開いてくれました。そしてさらに大学に入ってから哲学かな。でも中学生のときにピカソ展に行って、批評文を学校新聞にのせたことを思い出しますね。あとは、山かな。クラブはテニスクラブでしたが。
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Q3.今お葬式がシンプルになっていき,無宗教でお経もあげず家族のみで
行う葬儀になっています。そんな中,遺族がオリジナルな弔いを行う事も
生まれてきました。これから,”弔う”ということはどういう風に変化して
行くと思いますか?またこういう観点でAIとどういった関係になるの
でしょうか。
A.これは、これからの文化の急所をつく問いです。弔うこと以前に、人間にとっての「死」とはなにか、ということが大きく変わっていく時代でしょうね。それを考えずに、AIとの関係というわけにはいかないのでは?死とはなにか、問われていますねえ。
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Q4.なぜ,表現するために言葉を選びますか?それは自分が用意したもの
ではないと思ってしまいます。また,”自分”であることが出来ない人々は
不幸または愚かだと思いますか?
A.最初の問いは問いのなかに混乱があります。「選ぶ」ということがなにか、が問題です。選んでいるんですかね?一見、選んでいるようですけど、さあ、どうかな。二番目の問いは、わたしが言ったのは、誰もが完全には自分であることはできない、また同時に、誰でも自分であるわけです。不幸?愚か?そういう形容詞で他者が判断できることではないですね。ただ、わたしは自分が自分であるという感覚をもてるような行為において、自分をひとつの自由と感覚することができて、それは、ある種の「幸福」であるということを知っていると思います。
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Q5.自分が認識為ている現実(現在?)と他人が認識している現実との
ギャップは根本的に異なるのか?
A.さあ、どうでしょう。当然、異なり、当然、一致する。さあ、それは「根本的」なのでしょうか。「根本的」とはどういう意味でしょう?そこにかかってます。
—–
Q6.人間がサイボーグ化して,体の一部や多くを機械化する未来はやってくる
と私は思っているのですが,そのとき,皮膚を失った私たちは何を信頼する/
何を信じられるのでしょうか。
老いること,衰えること,死ぬことについて,どう思いますか?
自分の能力や体力が衰える時に,烈しく生きようとするならば,何を感じ,
どう生きることになるのだろう,と思いました。
A.「皮膚を失った」存在は「わたしたち」ですかね?その存在はなにか「信じる」必要があるのか、「信じる」ことができるのか?これもまた「信じる」ということをちゃんと考えてみないといけませんね。わたしは「わたしたち」でないものの「信」を考えることはほとんどできませんね。
老いる、衰える、死ぬ、まあ、わたしもそういうことがリアルである季節に突入していますが、そこで思うことは、そのような自分の存在も条件がますます厳しくなる季節においてこそ、自分の「自由」をなんとか証したいということかな。それが「激しさ」なんですけどね。この年だから味わえる「自由」があるということにわたしは賭けます。つまり、まったくネガティブに思える老いという現実こそが可能にしてくれる存在の真理という方向ですね。それこそが、哲学者であることのほんとうの意味であると思います。アーティストもそうかもしれませんけどね。
—–小林先生のご返答があり次第、順次追加予定です。<書籍>
表象文化論講義 絵画の冒険,ISBN978-4-13-083068-3
http://www.utp.or.jp/book/b307203.html
岩波「思想」2018年4月号,ISSN 0386-2755
https://www.iwanami.co.jp/book/b356803.html
第12回 10月25日開催
芸術と技術の過去と未来
ゲスト:住友文彦 先生(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科)
第 回 11月1日開催予定
この日に予定されていた授業は11月29日へと変更されました。
詳細は29日の開催情報を参照ください。
第13回 11月8日開催
デザインの現在と未来
ゲスト:藤崎圭一郎 先生(東京藝術大学美術学部デザイン科)
第14回 11月22日開催
動く絵の現在・未来
夢の表象とアニメーションゲスト:山村浩二 先生(東京藝術大学映像研究科)
第15回 11月29日開催
「芸術の起源」の現在と未来
チンパンジーとヒトの描画研究からゲスト:斎藤亜矢 先生(京都造形芸術大学 准教授)
<書籍>
『ヒトはなぜ絵を描くのか―芸術認知科学への招待』(2014)岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b265853.html
Arts and Apes展
2018年12月11日~21日まで@京都造形大学芸術大学
第16回 12月6日開催
[:]文様研究の現在・未来
文様・図案ゲスト:黒川廣子 先生(東京藝術大学大学美術館)